◆ はじめに:「え、段ボールって仕事になるの?」
「段ボールって、ただの箱じゃん」
「工場で自動で作ってるんでしょ?」
就活生の多くが最初にそう思います。
でも、段ボールは“物流社会のインフラ”です。
通販・食品・製薬・農業…あらゆるモノが運ばれるとき、必ず使われるのが段ボールです。
つまり、段ボール製造業は日本の産業を下支えしている、なくてはならない存在なんです。
◆ 段ボール製造業とは?
段ボール製造業は、原紙(クラフト紙)を使って、箱やパッケージを加工・製造する業界です。
主に2つの工程があります:
▶ ① 段ボールシートの製造(シート部門)
- 複数の紙を貼り合わせて「波型の構造」を作る
- 強度や厚みによって種類が異なる(Aフルート、Bフルートなど)
▶ ② 段ボール箱の加工(ケース部門)
- シートを箱の形に加工・印刷・折り目つけ・接着
- お客様ごとのオーダーメイドで設計されることも多い
◆ 段ボールが使われる場所
✅ ネット通販(Amazon、楽天など)
✅ スーパーの食品輸送
✅ 農家からの出荷箱
✅ 精密機器の輸送
✅ 引っ越し・梱包サービス
つまり、経済が回る限り、段ボールは必要不可欠です。
◆ 段ボール製造業の仕事の種類
職種 | 内容 |
---|---|
製造オペレーター | 段ボール製造機の操作・監視・メンテナンス |
印刷・加工担当 | 箱の表面に印刷を施し、正しい形にカット |
品質管理 | 寸法・強度・印刷ミスなどの確認 |
生産管理 | 工場の進行スケジュールや在庫の調整 |
営業 | お客様(農家、メーカーなど)と打合せし、最適な箱を提案 |
◆ 現場のリアル:中小段ボールメーカー・製造スタッフ(25歳・文系出身)
「最初は“ただの箱作る仕事か…”と思ってました。でも、お客様によってサイズ・厚さ・強度・印刷が全部違うんです。最近は地元農家さんのブドウ用箱を自分が設計から担当できて、すごく嬉しかったです。」
◆ 段ボール業界の現在と将来性
✅ 1. ネット通販が支える安定需要
コロナ以降、EC需要が急増し、段ボール出荷量はむしろ増加傾向。
Amazonやヤマトなどとの取引がある中小企業も多数。
✅ 2. 環境配慮で紙パッケージが見直される
プラスチック包装から段ボールへ。
脱プラ・サステナブルの流れで紙素材の需要はむしろ追い風です。
✅ 3. 自動化・ロボット導入が進行中
最新の製造現場では、機械操作・監視系の業務が増加。
文系・未経験でもスタート可能な仕事も多く、OJT中心で育成されます。
◆ こんな人に向いています
✅ モノづくりに関心がある
✅ コツコツ作業が得意
✅ 地元で安定して働きたい
✅ 社会貢献性のある仕事がしたい
✅ 人と話すより機械を触る方が得意
◆ 段ボール製造業の企業の選び方
観点 | チェックすべきポイント |
---|---|
教育制度 | 「未経験歓迎」だけでなく「OJT」「資格支援」など明記されているか |
業界内ポジション | 独自の顧客・印刷技術・オーダーメイド対応がある会社は強みあり |
地場取引先 | 農家・製薬・食品メーカーなど、地元に根ざした取引先があるか |
◆ 就活生へのアドバイス:今すぐできる行動
- 「段ボール 製造 求人」「包装資材 工場 中途・新卒」で検索
- 地元企業の採用ページ・SNSをチェック
- 会社説明会や工場見学に参加して、現場を体感してみる
◆ まとめ:「地味=不要」じゃない。段ボールは社会の“裏の主役”
段ボール製造業は、目立たないかもしれません。
でも、人が生きていく中で「運ぶ」「守る」ことを支える仕事です。
- ネット通販がある限りなくならない
- 脱プラスチックでむしろ注目されている
- 地元・安定・手に職がそろう中小製造業
そんな“堅実な業界”に、自分の居場所があるかもしれません。