【業界研究】洋紙製造業とは?紙をつくる仕事のリアルと未来

業界解説

◆ はじめに:「紙の仕事って、まだあるの?」

「最近はなんでもデジタル」「紙の需要って減ってるんじゃないの?」

そんなイメージを持つ人も多いかもしれません。でも実は、紙の仕事=“終わった業界”ではありません

確かに新聞や雑誌の紙は減っていますが、包装用紙・衛生紙・食品パッケージ・ラベル紙などはむしろニーズが拡大しています。

今回ご紹介する「洋紙製造業」は、デジタル化の時代でも安定して仕事がある製造業
就職先としても、意外と“穴場”で“安定志向の人”に合っている業界なのです。


◆ 洋紙製造業とは?

「洋紙」とは、日本古来の和紙に対して、明治以降に欧米から伝わった紙の総称です。
新聞紙・コピー用紙・ダンボール・食品包装紙など、ほとんどの“現代の紙”はこの洋紙にあたります。

洋紙製造業は、この紙を「木材パルプ」や「古紙」から大量につくる工場の仕事です。


◆ 洋紙がつくられる流れ(超ざっくり)

  1. 原料づくり: 木材や古紙を細かく砕き、パルプにする
  2. 抄紙(しょうし): 大きな抄紙機で、水分を取りながら薄く紙を形成
  3. 乾燥・加工: 熱や圧力で乾かし、紙の厚みや光沢などを調整
  4. 検品・巻き取り・出荷: 巻き取り機でロール状にして出荷

◆ 働く人の1日:中小製紙会社・製造スタッフ(23歳・文系出身)

「最初は“紙をつくる”ってイメージが湧かなかったけど、やってみると大きな機械を動かす感覚が面白いです。マニュアル通りにいかないときもあるので、チームで声かけながら調整するのが職人っぽくてやりがいあります。」


◆ 洋紙製造業の仕事の種類

職種主な内容
製造オペレーター抄紙機などの操作・監視。交代制勤務が多い
品質管理紙の厚さ、色、強度などを測定・分析
メンテナンス機械の点検・修理(専門技術が求められる)
出荷・物流管理製品の梱包、トラック積み込みなど

📌 多くの業務は工場内作業。夏冬は空調がある場合が多く、天候や接客に左右されないのも魅力です。


◆ 業界の現状と未来性

✅ 減っている紙・伸びている紙

減少傾向増加傾向
新聞・雑誌の紙段ボール、食品包装紙、トイレットペーパーなど

デジタル化の影響で**「読む紙」は減少していますが、「包む紙」「拭く紙」は増加**しています。

✅ 環境配慮で見直される“紙”

プラスチックごみ削減の流れで、紙パッケージ・紙ストロー・再生紙などが注目されています。
「環境にやさしい素材」としての紙は、脱プラ・サステナブルの時代にフィットする素材でもあります。


◆ どんな人に向いている?

✅ 機械を扱うのが好き(文系でもOK)
✅ 同じ作業をコツコツやれる
✅ 地元で安定した会社に就職したい
✅ 環境・社会貢献にも興味がある
✅ 大きな製造装置にワクワクする


◆ 洋紙製造業に就職するためのポイント

チェック項目見るべきポイント
未経験歓迎か学部不問・研修ありの企業は多い
福利厚生交代勤務に手当がつくか、夜勤はあるか確認
環境対策再生紙やバイオマス対応など、将来性の目安になる
地域密着性水資源の多い地域(静岡、富山、福井など)に多く、地元就職に最適

◆ 今すぐできるアクション

  • 「洋紙 製造 正社員」「製紙工場 求人」「紙 加工 中小企業」などで検索
  • 地元企業の採用ページをチェック
  • 製紙会社の工場見学や会社説明会に参加してみる

◆ まとめ:紙は減っていない、“使われ方”が変わっているだけ

  • スマホで読む時代でも、紙はなくならない
  • むしろ、「包む・守る・拭く」といった生活必需品としての役割が増えている
  • 洋紙製造業は、そのインフラを支える仕事

大量生産の裏側には、人の手と技術、そして責任感があります。

あなたも「誰かの日常を支える紙」をつくるプロになってみませんか?

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